・スカイプロムナード４７ 〜 京王プラザホテル　（東京都）

・568ｘ203ｍｍ、不織布に印刷、エンジ色の部分は綿にフロック加工されたものと思われるパーツを縫いつけ。金の「ダイヤゴールド」（合成樹脂の金粉）で装飾。 　「不織布・印刷」のペナントは、海外、おそらく1970年代以降の北米で一般的なデザインです。一方、同じ頃のわが国では、「綿・フロック加工」ペナントの後は「紙・写真印刷」ペナントに移行しました。 　このペナントは、日本の1970年代中頃〜後半のものですが、「紙・写真印刷」ではなく「不織布・印刷」という加工であること、また、左のタグ・リボンの縫いつけ加工が非常にアメリカナイズされた雰囲気を持っています。しかし一方で、わが国でしか見る事のない「ダイヤゴールド」を全面に使っています。アメリカ的な部分と日本的な部分が程よく交じり合った、いわばハイブリッドな雰囲気がこのペナントの持ち味となっています。 　一見よくあるペナントに見えるかもしれませんし、実際、類似の加工が他に例がないわけではないのですが、日本のペナントとしては、やはり比較的に珍しい部類と言えるでしょう。 　日本の超高層ビルの歴史は、1968年竣工の「霞ヶ関ビル」（東京都港区、156ｍ・36階）に始まり、ついで「世界貿易センター」（1970年、東京都港区、163ｍ・40階）、そしてこの「京王プラザホテル」（1971年、東京都新宿区、179ｍ・47階）と続きます。 　その後、1974年の新宿・超高層ビル群の登場、そして1978年の「サンシャイン６０」（東京都豊島区、240ｍ・60階）の竣工で一区切りとなります。 　その10年間はわが国の高度経済成長期の到達点であり、まさに超高層ビルの登場こそ、その象徴であったと言えるでしょう。 　その日本の超高層ビル草創期の10年の中でも、特に愛称を兼ね備えて親しまれたのが、「パノラマ36」の「霞ヶ関ビル」、「スカイプロムナード47」の「京王プラザホテル」、そして「サンシャイン60」であったと記憶します。 　このペナントは、そうした現代史的背景を明確に表わしている一品であると思われます。 　左のキーホルダーは私のコレクションの一つで、私の名前と昭和47年（1972年）8月2日の刻印付き（画像の裏ですが）のものです。当時、11才。 　当時の記憶は、正直なところあまり残っていないのですが、記念メダルの刻印は生まれて初めての経験で、一文字ごとのガチャンという大きな音と、文字指定のダイヤルを回す指に伝わる衝撃のキツさだけは未だに覚えています。 　2008年現在の京王プラザホテルには「スカイプロムナード47」の名称・施設は既になく、「カラオケ47」にその名残（？）を留めるに至っています。 　なお、ペナントの右端の丸い意匠は、言うまでもなく京王グループのブランドマークです。 ■参考　京王プラザホテル（オフィシャル）　　　　　　http://www.keioplaza.co.jp/index1.html? 　　　　　・なお、日本の超高層ビルの歴史については、ウィキペディア「日本の超高層ビル」の項を参照・引用しました。 ▲ページトップ ▲ホーム