・平等院　 （京都府宇治市）

478x175mm、布に赤および緑（地）と白のフロック加工で制作。わが国の観光ペナントとしては、小振りなサイズが目を引きます。案外に時代をさかのぼる古いものかもしれません。直感的には、アイビールックが流行した1960年代風。観光ペナントではありませんが、ファッションブランド「VAN（ヴァンヂャケット）」のペナントを思い出させます。 　京都府宇治市に在する平等院鳳凰堂は、わが国の代表的国宝にしてユネスコ/世界遺産にも指定され、なにより10円硬貨の意匠として日本人なら誰でも知っているといっても過言ではない歴史的建造物です。 　しかしこのペナントそのものは、歴史的背景とは裏腹に、日本離れしたとでも言うべき垢抜けたデザインが特徴です。それは先に触れたアイビールックらしい、洗練されたイメージです。赤と緑そして白という色自体、トラディショナルなファッションの定番色ですしね。 　左の白のタグとリボンは縫いつけで丁寧な造りですし、この装飾的な角度を付けたリボンの様は海外、特に北米・アメリカのお土産ペナントでよく見られるものです。もしかしたら、海外からの観光客を意識したデザインなのかもしれません。 　左右対称を特徴とする鳳凰堂を大胆にトリミングして三角に取り込み、さらに「BYODOIN」のロゴをオーバーラップ。 　三角の下部には、手前の池に映（うつ）るお堂の柱をうまくあしらっており、フロック加工の単純さを逆手に取った技ありの処理と言えるでしょう。妙にリアルさを求めていないすっきりさが持ち味です。 ■「京都・宇治　平等院」（公式ホームページ）　　http://www.byodoin.or.jp/index.html ▲ページトップ ▲ホーム