635x210mm、布に印刷、パッケージに「High Deluxe Pennant、意匠登録第332687号、外類似意匠出願済5件」表示。
わが国の歴史に名を残す競走馬、あまりに有名な「ハイセイコー」のペナントです。
「ハイセイコー」は、1970年代に競走馬として「怪物」と称されるほどの活躍をしました。その人気は社会現象と認められる凄まじさで、いわゆる第一次競馬ブームの立役者です。
かつてギャンブルとしての競馬は賭博そのものであり、ギャンブル愛好者・限られた人々による一種陰（かげ）の世界のものでした。しかし「ハイセイコー」の人気はそうした一線を凌駕するもので、ギャンブルの一般化・レジャー化の契機を作り出すとともに、女性のギャンブル参加への社会的認知のきっかけとなるものでした。いわゆる「オヤジギャル（漫画家・中尊寺ゆつ子さんの命名）」の登場はハイセイコーの登場なくしてあり得なかったと言えるでしょう。ハイセイコーは、わが国の昭和の社会風俗史において不朽の転回点を記す名競走馬なのです。
このペナントのハイセイコーは、北海道新冠郡新冠町・明和牧場によるものです。時期は競走馬として引退後、1975年1月に明和牧場において種牡馬として生活するようになってからのものでしょう。
競走馬の産地であった北海道の牧場は、ハイセイコーの登場によって稀代の名競走馬に再会できる観光牧場という観光施設としても発展することとなりました。近隣の道路は「サラブレッドロード」と名づけられ、町おこし・観光〜集客を成しています。
このペナントは、稀代の名競走馬「ハイセイコー」のペナントであると同時に、観光牧場という存在の発展を示すという、明らかに「観光ペナント」の世界に位置付けられるものなのです。
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第三次展示室