615x290mm、布に印刷。周囲の房は接着。
1973年（昭和48年）、8月18日から10月14日にかけて石川県金沢市内において開催された地方博「日本海博」のペナントです。
ペナントを見ると、上下左右・重力を無視して図案をレイアウトし、白地に派手な赤・緑・黄、アクセントに水色という極め付きの対称色で描きこむというデザインです。いわゆる、70年代風サイケデリックですね。当時の定番・擬人化太陽も、しっかりど真ん中で笑ってます。図案詰め込みの典型ですが、全体に破綻していないし、サイケであっても下品ではない賑やかさがいい味です。色も図案も、ギリギリの奇跡的バランスを保っていますね。
図案のうち、ジェットコースターは期間内に会場に開設されたもの、三角の右端のミュージシャンは会場で催されたジャズフェスティバルのようです。それに、よく見ると仮面ライダーがサイクロン号（？）で怪人に体当たりしていますよ！。すごいね、これ。仮面ライダーショーとかもあったのかな？
「地方博」というと、一般には1981年に神戸市で開催された「ポートピア」の成功以降いわゆるバブル景気の頃にブームになったと言われているようですが、調べてみるとそれ以前も以降も「博覧会」とされるイベントは実に数多く開催されています。それは、毎年日本のどこかで様々に開かれていたといっても過言ではない数で、わが国の経済成長の波とともにあったとも考えられます。ということは、「観光ペナント」ブームの時期と一致していると言う事もできるでしょう。地方博のペナント探しというのも、面白いでしょうね（実際、わたしも何枚か持っています）。
正直なところ、「日本海博」と言われてピンとくる人は少ないでしょうが、地域振興を目差して開催された地方博はそれぞれの地元の人に大きな思い出を残しているようです。ブームとして語られることの多い地方博ですが、ひとつひとつを検証すると、結構面白いかもしれません。
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第三次展示室